「物語 フランス革命」を読んだよ!②

引き続き、安達正勝著「物語 フランス革命」を読んでます。いろいろな名言があるけど、久々に「名言やなあ」と思ったのが↓のゲーテの言葉。

 

「この日、この場所から、世界史の新しい時代が始まる」

 

やっぱ世界史ってええなあ笑

本書にヴァルミーの戦いの詳細は書いてあるけど、欧州最高の装備を持つプロシア軍に5か月間負け続け、劣勢に追い込まれたフランス軍が初めて勝利したのがヴァルミーの戦いなんですと。

それまで軍隊の幹部は貴族が担っていたけど、革命の進展とともに戦線を離脱してしまい、烏合の衆の状態だった中、「自由と平等の思想を広めたい」という強い気持ちで戦っていた点がフランス軍の強さの源泉だったんすね!

ほんと、フランス革命知らずして、現代社会で「のほほーん」と生きていては失礼な気持ちになってきますな。

 

他、感想と気づき。

 

<Cityの語源>

パリには最初シテ島にのみ人が住んでおり、Citeが都市を意味し、英語のCityに相当する。現在ノートルダム大聖堂があるシテ島には約2300年前にシテ島にパリジイ族が住み着き、パリの語源になった…

マジで!?Cityって言葉の語源がパリにあったん?知らんかったわ。

あとパリジイって…なんか響きがこう、カッコ悪。

こういうちょっとしたウンチクをさらっと言えるようになると、世界史通みたいでええよね笑

 

<ヴァレンヌ逃亡事件>

ちょっとわかりにくい点に、「国王と国民」は革命当初は仲良そんなにわるくなくて、あるタイミングから仲たがいしてしまうところですね。そのきっかけがヴァレンヌ逃亡事件だったんですね。よーくわかりました。

1791年にベルギー国境近くの要塞に脱出しようとして失敗。従僕に扮して逃げようとした国王に国民は怒り心頭して、王政廃止に一気に傾くんやな。

その後、フランス初の憲法である1791年憲法が制定されてフランスは立憲君主制に移行するけど、著者曰く「魂が入ってない」って抜け殻みたいな立憲国家になってしまったのね。

 

ジロンド派

この派閥が複雑で挫折したんですよね、フランス革命

1792年にジロンド派中心の内閣が組閣される。ジロンド派ジロンド県(フランス南西部、県庁所在地はボルドー)出身者が多い。穏健的な共和派。

…ちょうど今日、ボルドー産のワインこうたんやけど。明治維新みたいな話で地縁でまとまった政治団体なんかなあ。

 

<ロラン夫人>

ジロンド派の中心人物として、よー名前聞くけど、この人も謎。え?旦那が官僚なん?内務大臣なん?で、旦那の職場に机おいて、勝手にメール出してたの?

コンプラどないなってんの?笑

当然、罷免だろ!内務大臣。

 

ちょっと面白かったのが、彫金師の娘で頭よかったって点ですかね。生まれによらず実力主義で活躍するってフランス革命の精神を地でいってる人ですよね。女性に参政権はなかったのに、政治的発言力はあった。このあたりの「自由、平等は口だけじゃない!」ってあたりが、ほんと興味が尽きないね。

 

あと言葉がちょっと格調高い。

「祖国は、想像力が悦に入って美化してきた単なる言葉では断じてありません。
 祖国とは、人々がそのために犠牲を払ってきたもの、それに対する心遣いによって
 日々さらに愛着を感じるもの、人々が大きな努力を重ねて築き上げてきたもの、
 不安の中においても高くそびえたつもの、頼りとする気持ちと同じくらいに奉仕の
 気持ちによっても愛するもの、それが祖国というものであります」『回想録』

 

優れたリーダーは言葉が巧みだけど、ロラン夫人の言葉に革命の志士たちが奮い立った当時の時代の空気みたいなのがええですな!

あと、近代の国民国家への国民の想いみたいなものが、凝縮された言葉だったのかな。王でもなく、地域でもなく、フランスという一個の国…ね!

こーゆー言葉を行ったり来たりして読むと、負けても負けても対仏大同盟が何度でもよみがえる意味が見えてきますな。アンシャンレジーム側の各国から見たら、狂信者の群れですな…

 

てなとこで。酒飲みたいので本日もこんなとこで。ボルドーのワインのも!