「ナポレオン-最後の専制君主、最初の近代政治家」を読んだよ

一発目、この週末に読んだ「ナポレオン-最後の専制君主、最初の近代政治家」についてメモを。

 

そもそも、なんでこの本読んだかって、長谷川哲也の「ナポレオン獅子の時代」って漫画にハマったからですねw

画風が北斗の拳に似てるなーと思いなが暇つぶしで読み始めたら、とにかく出てくるキャラみんなカッコイイ。

でも、「そういえば、俺、全然フランス革命からナポレオン帝政の歴史、知らんやん」って気づいちゃったんですよね。そんなこんなで読んでみました。

 

コルシカ島

そもそも、ナポレオンて島出身なんですね。生粋のフランス人かと思ってた…

無知なんでw

 

「ヨーロッパには、立法の可能性な地域がまだひとつのこっている。コルシカ島である」

 

この本、このルソーの一説から始まるけど、「ジェノバ共和国の一部からフランスへ統治権が売られる…」

もうここからついていけてないw

 

あらためて、地中海の地図を拝見。コルシカは「広島県ぐらいの面積」とあるけれど、イタリアとフランスの間のそこそこでかい島なのね。ボナパルト家自体が、16世紀、トスカーナから移住してきた貴族の家系ともあり、再び驚き。え!?イタリアンだったの?「あーそんで、漫画ではナポリオーネって名乗ってたのね」なーんて…ねw

無知って罪w

 

とにかくナポレオンは軍事の天才!というイメージだったが、同時に読書家で、政治家としての素養があったというのも、ちょっと気づき。ナポレオン法典なんて作っちゃうぐらいだから、そりゃそうか。

 

フランス革命時代、「ナポレオンの立ち位置はブルジョア階層側」と記されてる。フランス革命自体も推移が複雑で、ここもよくわからなくなる点なのよね。貧乏貴族だけど、えらい勉強できて、軍人上がりで体も頑強…ってステータスましましで引くわ。

あと、「ジャコバンクラブで積極的に活動。軍務の傍ら『共和制か王政』かとの論説を記す」との点も。軍人やりながら政治について論評も書けちゃうの、何なの…

革命を支持する軍人って立ち位置もちょっと現代人には「?」なんだよなー。やっぱり当時の啓蒙思想って、すごい感化力だったのかな。

ことごとくみんな、啓蒙思想に傾倒してるやん。なんか、近世を理解するには啓蒙思想をよけて通れないよな。「自由!」「専制の打倒!」って時代の空気、やっぱりフランス革命の時系列をよーく理解しないと全然わからん!

 

<頭角>

軍人としてキャリアで頭角を現すのがトゥーロンでの功績。「これ…小ジブラルタルのとこだ!」と、興奮しましたが、同時にパリではジロンド派ジャコバン派の争いが急進しているんだよな。

 

で、「ナポレオンは山岳派の指導者、オーギュスタン・ロベスピエールの庇護を受けるようになった」とある。しかも、目に留まったきっかけが、ナポレオンが山岳派有力者に送った『ボーケールの晩餐』という小冊子がきっかけ、とある。

 

「え!ロベスピエールって兄弟で議員だったんか…?」

「そいで、ナポちゃん、文才もあるんや…」と驚きにつぐ驚き。

ホンマもんの天才やん…

 

あと、兄貴のほうのマクシミリアンの恐怖政治の話もさらっと触れられてるけど、逮捕50万、うち処刑1万6000名。さらっと書いてあるけどすごない?

漫画でもこの恐怖政治の終焉でナポレオンも逮捕、保釈されてたけど「?」だったが、密に山岳派とかかわっていたことがわかって納得。本書には「私信にロベスピエールを名をあげて支持しなかった」とあったが、この辺の臭覚やらセンスが、政治家で成功した秘訣なんかなあ、と思った次第。

 

こっから、対仏大同盟との戦争でイタリアで活躍することになるけど、この辺が高校の授業とかで聞いてても全然よくわかってなかったな。なんでイタリアやねんと思ってたけど、オーストリアの勢力圏で小国家がひしめいている地域なんですね。

 

当時の戦争は賠償金で戦費を賄うとい側面も納得。「国メッチャクチャなのに、ようやるわ」と思ってけど、財政を立て直すために戦争での勝利が必要だったのねー

 

<政権欲>

やっぱり、世界史的には戦争の話が主になりがちだけど、イタリア戦役がナポレオン伝説の始まりになったのね…目を引いたのが、スタンダールパルムの僧院の冒頭分の話。

 

「民衆はひとり残らずこの1796年5月15日をもって、これまで自分たちが尊重してきたあらゆるこおとがらが、じつにばかげた、忌々しいものであることに気づいた。オーストリアの連帯がすべて撤退したことは、旧思想の没落を画した」

 

…気づいちゃったかーw

13歳のスタンダールは1796年ミラノに入ったナポレオンを同時代人としてそのニュースを知っていて、本筋と関係ないけど、自分の小説に書き入れてしまった、とのこと。やはり、「王政=専制」「自由のための戦い」という時代的空気、ここに凝縮されている気がするんだよね…

 

はいということで、まだ半分ぐらいですが、もうそろそろ酒飲みたいので本日ここまで!w

この辺の「新しい時代!」「専制という悪を打倒!」みたいな空気はもうちょっと深く知りたいね!啓蒙思想が基礎を作って、フランス革命が着火剤になって、ナポレオンが国家を作った、ということになっていくんだと思うけど、「いま私たちが当たり前と思っている、職業の選択の自由とか、私有財産の権利とか、それを勝ち取るための戦い」って考えると、みんなが大興奮している理由もわかるのかもしれないね!

でも、大砲に肉弾戦で挑んだり、メチャクチャではある。そこまでしても王政を打倒したいという気持ち、メンタリティー、スピリット…。ワクワクですな!

 

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